Brand Accelerate



未来を変える“冷凍中食”革命
日本の“旬”を、“瞬”で世界へ。
世界は今、「手軽で、健康で、美味しい」を求めている。特にアメリカでは、コロナ禍以降の生活様式の変化を背景に、冷凍食品市場が急成長を遂げている。GlobeNewswireの調査によれば、アメリカの冷凍食品市場は2024年には約796.6億ドル、2033年には 1715.6億ドル規模に達すると予測されており、その中でも“中食”分野への注目が一層高まっている。
しかし、日本発の冷凍食品はまだ限られた存在だった。理由の一つは、「日本の食」の本質が正しく伝わっていなかったこと。味、品質、素材の背景にある文化、そして“敬意”。そこまでをブランドとして輸出してこそ、日本の食の真価は初めて伝わる──。
そんな課題意識から立ち上がったのが、新たなブランド「JAPAN・O」である。
「御(お)」という、美しい感性をブランドに。
プロジェクト名にある「O」は、食材や自然に対する日本人の“敬意”を象徴する一文字。「御飯(ご・はん)」「御米(お・こめ)」「御茶(お・ちゃ)」──そこには、日々の恵みに対する感謝の心が宿っている。単なる装飾語ではなく、精神文化の表れ。
「日本+御」= JAPAN・Oというネーミングには、そんな“心の在り方”を世界に届けたいという想いが込められている。
デザインで伝える、“敬意”と“革新”
クリエイティブにおいて最も重視したのは、「日本らしさ」と「革新性」の共存。
ベースモチーフは“浮世絵”。日本の伝統美の象徴でありながら、視覚的なインパクトとグローバルな認知度を持つ素材として再注目されている。これを現代的な感性で再構築し、洗練されたビジュアルに昇華。線や構図は伝統をなぞりながらも、配色やリズムにはグローバルコミュニケーションを意識したアクセントを加えた。
ロゴデザインはシンプルかつフレキシブル。デジタル環境下での視認性を考慮し、極限まで情報を削ぎ落とした。
そしてブランドシンボルは、単体でも機能する仕様に。パッケージに貼られるシール、販促ツール、SNSなど、あらゆるタッチポイントでの展開を想定し、“記号化”することで瞬時にブランドの世界観が伝わる構造に仕上げた。
さらに、背景に使用するキービジュアルは「静止画」ではなく「動き」を持たせたアニメーション設計とした。大海原でうねる波、流れる雲、そこに佇む個性的なキャラクター・・・。そうした“動き”が、日本の四季や時間の移ろいや期待感・ワクワク感を表し、ブランドの世界観に“生命感”を吹き込んでいる。
海の向こうの評価
実際にアメリカの流通関係者やバイヤーたちの反応は、予想を超えるものだった。
「まさに“日本”を感じる」「力強くて、プレミアム感がある」「このパッケージなら店頭でも一際目立つ」──。その多くが、ブランドの背景にある思想、そして視覚的な訴求力に強い関心を示した。
本クリエイティブ開発が意味するのは、単なるデザイン制作ではない。
それは、“文化を食にのせて届ける”という挑戦だった。
JAPAN・Oは、完成形ではない。むしろ、ここからが始まりだ。
旬の食を、瞬で世界へ。
日本の「O(お)」の心を、次なる市場へ向けて。
|領域|
PLANNING PHASE
・コンセプト開発、テーマ設定、ブランドストーリー開発
CREATIVE PHASE
・コピー開発、VIデザイン
|STAFF|
・Creative director Toshifumi Nyui
・Designer Midori Shimada / Kazuhiro Uwabe